切り株
大学生の頃、
学校の機材庫で貸し出しされていたもので、
初めて一眼レフカメラに触りました。
それを持って、先輩と京都のお寺に
紅葉を撮りに出かけてからというもの…
切り株の写真を撮ることが好きになりました。
(あれ、紅葉は?)
もちろん紅葉もとても綺麗でしたが、
それ以上に、
なぜか切り株を見かけるとふらっと寄って
写真を撮りたくなるという習性が発見されたのです。
普通の散歩と違い、カメラを抱えて
「写真を撮るぞ」という目的で歩くだけで、
あらゆる物の見え方が変わるという不思議な体験でした。
一眼レフは卒業してからは触れておらず、
構図やピントの技術は置いてきぼりになりましたが、
切り株を見ると写真を撮りたくなる、
という習性は据え置きのまま、今に至ります。
好きなものについて、
「なぜ好きなのか」を理屈っぽく
考えてしまうことも多いのですが、
こと切り株に関しては、
本当にわからないし、
わからなくてもいいか~、と思っています。
理由や理屈がまったくなくても
人は何かを好きになれる
という、夢のある心の余白として
私はこれからも切り株を撮るのだと思います。
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