山の良さとは…

山 景色

 

ここ数年で何度か、姉に連れられて

山に登ることがありました。

 

山登りはいいぞ、悩みがあるなら登るべし、

自然の雄大さを感じ、人間社会のちっぽけさを垣間見ることができる…

 

と言うようなことは、よく聞く話です。

 

自然に囲まれた環境で、汗を流し、

おいしい空気の中で味わう達成感など、

理由はそれぞれにあると思いますが、

私自身は、ひとつに「視点の高さ」が理由だと思っています。

 

普段の生活圏から抜け出すほど高い位置から

見下ろした時に見える街並みの小ささは、

登る前からなんとなく想像できて、

なんとなく分かってはいても、やはり毎度驚かされます。

 

世界は広い、ということを、

私たちは幼少期から完成された世界地図や

ネットでいくらでも見られる衛生写真のおかげで

「知っている」という感覚でいられますが、

 

いざ実際に目の当たりにして初めて、

その意味がわかるモノなのかもしれません。

 

山の上から見下ろすと、

普段、自分たちが等身大で精一杯生活している街が

とても小さくまとまって見えるとともに、

その「外」の広大さも同時に目にすることになります。

 

そうすると、山から降りたらその後はまた、

その小さな街で精一杯の生活を送ることに変わりはなくても、

そこから外の、別の場所へ行く自由という選択肢があるという感覚を、

なんとなくお土産に持ち帰って来られるのです。

 

ここにいなければいけないと思っていたけど、

実はここじゃなくてもいいのかもしれない、と。

 

自分自身が移動することで見た光景ですから、

それをより強く実感させてくれるんですね。

 

想像や写真だけではわからないスケール感で、

高い位置から見下ろすことができる非日常が

山登りの良さの一つというわけです。

 

とは言っても、体力も必要で、

なかなか気軽とも言い難いものなので、

 

そういう場合はデパートの高い階層や

〇〇タワーの上の方に登ってみたり、

観覧車に乗るなどして、意識的に

高い所からの視点を楽しんでみるのがいいでしょう。

 

出来るだけ遠くまで見渡した景色の中に、

きっと何か掴めるものがあるはずです。

 

 

 

投稿者プロフィール

中根春奈
中根春奈
誠実さと敬意をもって、知ること、考えることを大切にしています。

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