ゲームが教えてくれること

幼少期から現在進行形でずっと、

ゲームは私の趣味の中でも最大といえるものの一つです。

 

冒険したり、スローライフを送ったり、
パズルを解いたり、戦ったり、家を建てたり…

 

都度いろんな自分になって、いろんな体験ができるゲームは、
時にものすごく大きな発見と驚きを与えてくれるものです。

 

少し長くなりますが、私のゲーム経験の中でも
かなり印象深かった発見のお話を書きますね。

 

3DSソフトの、「ファンタジーライフ」という作品を
遊んだ時の話です。※画像は公式より拝借

ファンタジーライフ

その名の通り、ファンタジーの世界で住民として
職業に就き、生活するというゲーム。

 

デフォルメされたビジュアルが可愛らしく、
冒険もあるけど全体的にのどかで平和な世界です。

 

そこでは最初にたくさんの中から一つ好きな職業を選ぶのですが、
私はとりあえず、弓を持って冒険に繰り出す、
狩人」を選びました。

 

そして、見習い狩人として師匠や先輩から技を教わりながら
少しずつ経験を積んでいくのですが…

 

ベテランになるための試練はとても手ごわく、
そのへんのお店では売っていないような、
もっと強い弓が必要になってきたのです。

 

お店では売っていないものを手にいれる唯一の手段…
それは、「大工に転職して自分で作ること」でした。

 

そうして私は大工に転職したのですが、
もちろん大工も最初は見習いから。
経験を積まなければ、強い弓は作れません。

 

そうして、買ってきた木材でモノを作り、
腕を上げていったのですが、そこでもまた壁が。

 

大工のベテランになるには、そのへんのお店で売ってないほど
貴重な木材を加工する経験が必要だというのです。

 

その貴重な木材を入手する唯一の手段は、
木こりになって自分で伐ってくる」というものでした。

 

そうして私は、やむなく木こりに転職しました。

 

もうおわかりかも知れません。
木こりになっても、最初から何でも伐れるわけではありません。
経験と、強い斧が必要です。

 

私は、そのへんのお店で売ってないほど強い斧を作れるようになるため、
鍛冶屋に転職しました。

 

そして、鍛冶屋の修行に必要な、
そのへんのお店で売っていないほど貴重な鉱石を掘るため、
採掘師へと転職しました。

 

もはや人も寄り付かない秘境の地で、禍々しくそびえる
大きな鉱脈を前にして、私は思いました。

 

「そもそも、どうしてこんなことをしているんだっけ?」と。

 

順を追って思い返すと、私は

「ベテラン狩人になるため、強い弓を作れる大工になるため、
貴重な木を伐れる木こりになるため、強い斧を作れる鍛冶屋になるため、
貴重な鉱石を掘り出せる採掘師を目指していたのです。」

 

(さらに言えば、秘境を探索するための食糧(回復手段)を得るため、
料理人になり、その腕を上げるために釣り師にもなりました。)

 

気付けばほとんどの職業を経験していた私は、ふと思いました。

 

これはゲームだから全部自分でできたけど、
現実だと当然、こうはいかない。

 

大工さんも鍛冶屋さんも何もかも、
何十年と経験を重ねてやっと一流になれるもの…

 

1人が一生のうちに極められるものは限られているから、
だから皆、それぞれにできることをして、協力して生きているんだ、と。

 

道具を使う人がいて、道具を作る人がいて、
道具を作る材料を用意する人がいて…

 

そうか、なるほどこれが…世界!!

世界!

 

それに気づいた私は、それ以降日常のいろんな場所で、

これを作ってくれた人がいる…
設計してくれた人がいる…
この技術を生み出してくれた人がいる…

 

などと、目に見えるものの向こう側にいる人たちの存在を
考えるようになりました。

 

本で読んで分かったのとは少し違う、
バーチャルだったとしても、経験したからこそ感じられた事実。

 

実際に、私が釣り師として使った釣り竿も、
木こりの私ががんばって秘境に潜って命がけで伐り、
大工の私ががんばって加工したものだったわけですから。

 

現実世界でエンピツを手に取って、
「木材と黒鉛…」
なんて思いながら、ため息が出そうになってしまいます。

 

身の回りの何もかもにありがたみを感じられるようになったのは、
この経験によるところがかなり大きかったと言えます。

 

可愛らしいビジュアルでも、決して侮れないものです。

 

私はこれから先も、きっと多くのことをゲームから学び、
興味・関心を多岐に広げ続けていけることと感じています。

 

 

 

投稿者プロフィール

中根春奈
中根春奈
誠実さと敬意をもって、知ること、考えることを大切にしています。

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